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モスク襲撃から5年 残された未亡人の再生と勇気

クライストチャーチのモスク襲撃から約5年。愛する家族を失った人々は悲しみに暮れる日々のなかで、再び生きる力を見出している。

未亡人となったアムナ・アリさんは、幼児教育のディプロマを修め、ITの資格も取った。

夫のサイード・ジャハンダッド・アリさんが2019年アル・ヌールモスクで命を落とした時、息子のモハメッドくんはまだ6ケ月だった。

彼に「パパはどこにいるの?」と訊かれたとき、「天国よ」と彼女は答える。

「夫の存在を今も感じています。『ここにいるよ。大丈夫、心配することはない』と耳元で聞こえる声が、私に生きる勇気を与えてくれます。学位を取った私のことをきっと誇りに思ってくれるでしょう」

彼女の友人で、夫と息子を亡くしたアンブリーン・ナエームさんは、自動車を運転することを覚えた。

「自分が運転する日がくるなんて、夢にも思いませんでした。勇気と自信を与えてくれた神に感謝します。そして、亡き夫がいつも私を力づけてくれるのです」

また彼女は自身でデザインした家をも建てた。夫と息子の修めた大学の学位がリビングルームを飾っている。

「事件が起こったとき、私は復讐することを考えましたが、一番の復讐は犯人とは同類にならないことです。私は今甥とその子供たちと住んでいて、家の中は愛と、笑いと、人々で満ちています。時間があるときは、夫がそうだったように、コミュニティを助けています。これが私の復讐です」