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第223回  保険屋より友達の方が安心? 

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よくあるお問い合わせに、
「友だちが○○保険に入っていて、いいって聞いたので同じ保険に入りたいんですが。」
というのがあります。○○保険が自動車保険や家財保険なら、住所や年齢、車や家財の詳細をお聞きしてパソコンにデータを打ち込めば、簡単に見積もりが出せますし、クレジットカードがあれば、そのまま電話越しに加入手続きもできます。
 
 しかし、これが医療保険となると話は別です。できる限り直接お会いして、根掘り葉掘りあれこれうかがいます。
「そういうのは面倒なので、友達と同じのでいいです。」
と言われても、なかなかそうはいかないのです。
 
 医療保険は年齢、性別、喫煙の有無、既往症(保険加入以前に発症していた疾病や症状、検査によって疑いを指摘されていたもの)の有無、既往症があるのならその詳細と、詳しくお聞きして、事前に説明することだけでもほんとうにたくさんあります。
 
前々回のコラムでも書いたように、私の場合、短かくても説明に1時間、申込書の記入に1時間をかけます。話しているうちに、お客様の方から、
「既往症があったらどうなる?」
「こういう時は保険の対象?」
「禁煙したら保険料はいくら?」
など、どんどん質問が出てきて、もっともっと時間がかかるときもあります。
 
話し込んでいくうちに、
「友達に勧められたA社よりもB社の方が自分には向いてる。」
「夫婦でもA社とB社で分けた方がいいかもしれない。」
「やっぱり友達と同じA社にしよう。でも、プランは別のにしよう。」
「友達は子供がいないけれど、子供の保険料を考えたらB社の方が得だ。」
とお客様が自分で納得して、友達の勧め以外の保険を選ぶことはよくあることです。
 
 しかし、中には説明を聞いた上で、他社の保険や他のプランの条件が良さそうでも、
「やっぱり友達のと同じ保険がいい。」
という方もいます。初めて会った保険屋よりも、ずっと知っている友達の方が安心感があるのでしょうか?
 
 保険屋というよりも、公認ファイナンシャル・アドバイザーの立場から言えば、お客様の選択が一番なのです。お客様が友達の勧めという一つしかないものを選ぶのと、いくつかご紹介するものの中から一つを選ぶのとでは、選択の重みも違ってきます。そこに『お客様本人の意思』があることが重要です。
 
 自分の意思であれば満足度も安心感も高くなり、自分がどんな保険に入ったのかという理解度もずっと上がります。当然ですが、何時間か説明した結果、加入を見合わせたり、数ヶ月や数年してから「やっぱり入りたい」と連絡をもらうこともあります。これも『お客様本人の意思』ですから、尊重します。
 
 友達の勧めは、その人が加入している1社の1プランでしょう。それが自分にとって合っているかどうかは、他社や他のプランと比べてみて初めてわかるものです。

 

高橋靖宏【たかはし・やすひろ】
Financial Adviser (FSP68982)

アクセレレイト・コンサルティング社所属。海外進出企業の医療及びセキュリティ・リスク・マネジメントのスペシャリストとして、海外で長らくアシスタンス会社に勤務。NZで初の日本人公認ファイナンシャル・アドバイザーとして、生命保険、医療保険、損害保険など各種保険商品とキウイセーバーを日本語でご提供しています。

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