年明けにお客様から連絡が入り、お子さんが急性虫垂炎(盲腸)で入院したとのことでした。救急車を呼んで公立病院に入院し、手術、退院と全て無事に終わって帰宅されたそうです。お子さんも親御さんも正月早々大変だったと思いますが、大事に至らずよかったです。夏休み中だったのも、心身ゆっくり静養できて良かったかもしれません。
NZでは救急車で運び込まれるような緊急入院・手術となると公立病院の管轄で、私立病院では対応しません。公立病院なので国民か、永住権または2年以上のワークビザがある人であれば無料です。急患に関しては公共医療制度は素晴らしいと思います。
(ただし、緊急以外の待機手術に関してはここ2回のコラムをご参考ください)
第217回 国が公共医療での待機手術削減を検討
http://www.nzdaisuki.com/column_insurance/detail.php?issue=217
第218回 無料医療で10年待ち!
http://www.nzdaisuki.com/column_insurance/detail.php?issue=218
「せっかく医療保険に入っていても、緊急でタダなら保険の使いようがなくて保険がムダになるのでは?」
と思われるかもしれませんが、NZのほとんどの医療保険にはパブリック・ホスピタルケア(公共医療ケア)などと名付けられた、公立病院に入院したときに保険金が請求できる特典がついています(特典の有無、内容や条件は各保険会社や保険商品によります)
このお客様が加入していた医療保険では、公立病院に入院して3日目からは1日当たり300ドルの手当が支給される特典がついていました。お子さんは5日間入院したので、5日分計1,500ドルがすでに保険金として支払われました。
20歳までのお子さんは単独で医療保険に入れない代わりに、親と一緒に加入している場合の保険料は月々10~25ドルと非常にお得な設定です。これは一家で保険に入る大きなメリットです。
今回は計算上12年分の子供一人分の保険料(保険料は月10ドルでした)に相当する保険金がおりたことになり、保険加入は決してムダではなかったと思います。いくら無料の公立病院であっても家族が入院したとなれば、急に何かを買い揃えたり、病院を何度も往復したり、仕事を休んだりと、それなりに持ち出しがあったり、収入が減ったりする恐れがあります。そんなときに保険金があるのは何かと心強いことでしょう。
いずれにしても保険金を請求するような事態にならないことが一番望ましいのですが、万が一そうなってしまったらどしどし保険を利用しましょう。ときどき誤解されていることがありますが、医療保険は使ったからといって翌年の保険料には反映しません。その年の保険金請求がゼロでも5万ドルでも翌年の保険料は同じです。
それでも年々少しずつ値上がりしていくのは、年齢が上がるからです。年齢が高くなればなるほど病気になる確率が高くなるのは避けられません。せっかく保険料を払うのですから、医療保険はすべての病気がカバーされるよう、既往症(保険加入以前に発症していた疾病や症状、検査によって疑いを指摘されていた病気。通常は保険加入後は保険の対象になりません)のない、健康なうちに加入することをお勧めします。
高橋靖宏【たかはし・やすひろ】
Financial Adviser (FSP68982)
アクセレレイト・コンサルティング社所属。海外進出企業の医療及びセキュリティ・リスク・マネジメントのスペシャリストとして、海外で長らくアシスタンス会社に勤務。NZで初の日本人公認ファイナンシャル・アドバイザーとして、生命保険、医療保険、損害保険など各種保険商品とキウイセーバーを日本語でご提供しています。
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