今回のコラムが今年最後となりました。2011年はクライストチャーチ地震に東日本大震災が重なり、日本人としても、NZ在住者としても一生忘れられない年になってしまいました。この場を借りて、被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。
 
　個人的にも今年は忘れられない年になりました。法律の施行で今年7月より、正式に政府公認ファイナンシャル・アドバイザーとなりました。今のところ、日本人の公認ファイナンシャル・アドバイザーは私1人なので、日本人による日本語での的確なアドバイスを目指して、しっかりやっていきたいと思っています。
 
「保険屋がなぜファイナンシャル・アドバイザーか？　保険なんて銀行でも入れるのに」と思われるかもしれません。保険に加入するだけであれば、ネットでも店頭でもどこでも入れます。
 
　では、皆さん、車を買うときはどうしますか。店頭でたった1台の車を見せられ、「これがいい。これを買えば安心」と言われて、そのまま購入するでしょうか。
「値段が適正か？」
「他の車種や他社もみたい」
「燃費は？」
といろいろなことが気になるはずです。
 
　それが「自分の求めていたものかどうか」は、比べてみて初めてわかるものではないでしょうか。
「この値段なら、あっちの方がいい」
「これはいいけど、高すぎる」
「これは安いけれど、不安が残る」
という具合です。
 
　車なら誰でもある程度は知識があるので、「高い・安い」「燃費がいい・悪い」と、自分がほしいものかどうかの判断がつくでしょう。けれど保険は形がなく「保障／補償」を買うわけで、自分が払う保険料と保障／補償が見合っているのか判断がつけにくいのです。それで「保険は難しい」とか「保険のことはわからない」と思われがちです。
 
　だからこそ、特に商品内容が複雑で保険会社ごとに細かいところが違ってくる、医療保険、生命保険、住宅ローン保険で、A社はこう、B社はこう、C社はこう、と数社をご案内しながらアドバイスをし、最終的にお客様ご自身が内容と保険料を見比べて、納得した上で保険を選べる――これがファイナンシャル・アドバイザーとしての私の仕事でないかと思っています。
 
　たった1種類の保険に「入るか・入らないか」ではなく、いくつかの保険の中からご自分に合ったものを「選ぶ」という、他の商品を買うときに当然していることを、ぜひ保険でも体験していただきたいと思います。
 
　そのためにも、私自身もさらに知識や情報を深めていかなければなりませんが、来年もがんばる所存ですので、ぜひよろしくお願いいたします。
 
　皆様におかれましては楽しく安全なホリデーシーズンをお過ごし下さい。そして良いお年をお迎え下さい。