この仕事をしていて、今年ほど「家を買いました」とか「家を買おうと思っています」という話を聞くことはありませんでした。NZの歴史的低金利、そしてこの円高。物件価格も比較的落ち着いていて、景気が少し持ち直してきているせいか、
「このタイミングなら!!」
と一歩踏み出しやすい環境なんでしょうか。
前回の続きになりますが、今回は「ローン返済中に病気や怪我で働けなくなった時に返済を保障する住宅ローン保険」の話をしてみましょう。「保険をかける余裕があったら、ローンの返済に回したい」という話もありますが、住宅ローンは20年を超える長いものがほとんどですから、その間もずっと健康で仕事ができればいいのですが、先のことはなかなかわかりません。
住宅ローン保険とは、一家の稼ぎ手が病気になったり怪我をして働けなくなったり、収入が減ってローンの返済ができなくなったときのための保障です。保険金の支払いは保険会社からローンを組んでいる金融機関に直接行われます。つまり一家の稼ぎ手に代わって、保険が返済を続けるわけです。
保障期間は一般的にローンの残存期間(ただし年齢65歳まで)となりますが、2年間のみ、5年間のみと指定できるタイプもあります。(この場合の保険料は割安になります)
ローンが払えないからと何年も住んできた家を手放して、病人や怪我人を抱えて引越すとなると、ご本人やご家族の負担は大変なものでしょう。特に働けない期間が一定期間で、治れば元の生活に戻れることがわかっている場合、たった半年、1年のローンが払えなかったばっかりに、マイホームを手放さざるをえなくなるのは残念なことです。
保険金を実際のローンの返済額より少し高めに設定しておけば、将来的に金利が上がっても保険でカバーすることができたり、稼ぎ手の減収分を部分的に補うこともできます。具体例でみてみましょう。
現在の毎週のローン返済額が400ドルの人が保険はその150%に相当する600ドルに設定するとします。万が一のときにも返済額が同じであれば、毎週400ドルが銀行に支払われて返済が続き、残りの200ドルは本人(やご家族、以下同じ)が受け取って収入の保障にすることができます。
仮にその時点で金利が上がり、毎週の返済額が450ドルになっていたら、450ドルが銀行に支払われ、150ドルが本人に支払われます。逆に金利が下がっていれば、本人に支払われる分がさらに増えます。
この場合の本人の受け取り分は、怪我をして働けなくなったときにACCからもらえる生活保障手当てと相殺されず、住宅ローン保険もACCの手当ても両方受け取ることができます。
これが住宅ローン保険と収入保障保険との大きな違いで、収入保障保険は国からの手当てがある場合は保険金から自動的に差し引かれるので、保険金を満額受け取ることはできなくなります。
住宅ローンはすでにローンを組んでいる場合、これから家を購入する場合など、どの時点でも加入できますが、一家の稼ぎ手一人でローンを返済する場合、夫婦共働きでローンを返済する場合、加入者の職業などいろいろな条件によって保険料が変わってきます。専用ソフトで保険会社3社の見積もりが簡単に出せますので、ご興味のある方はご連絡下さい。
高橋靖宏【たかはし・やすひろ】
Financial Adviser (FSP68982)
アクセレレイト・コンサルティング社所属。海外進出企業の医療及びセキュリティ・リスク・マネジメントのスペシャリストとして、海外で長らくアシスタンス会社に勤務。NZで初の日本人公認ファイナンシャル・アドバイザーとして、生命保険、医療保険、損害保険など各種保険商品とキウイセーバーを日本語でご提供しています。
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