NZ保健省の最新統計によると、ガンの罹患者(新たにガンと診断された患者数)は引き続き増加しているものの、罹患率はわずかながら低下しています。2009年のガン罹患者は2万875人で、10年前の1999年に比べて23%の増加となりました。そのうち男性が過半数の53.4%を占めています。
人口10万人ごとの罹患率は1999年の355.1人から2009年は344.4人へと、3%とわずかながら低下しました。2009年のガンによる死亡者は8,437人で10年前に比べ10%増となり、罹患者に比べて伸び率が抑えられています。これは医療の進歩、特効薬の開発、早期発見などさまざまな理由によると考えられ、世界的な傾向でもあります。
しかし、ガンの発症は増え続けており、この病気を食い止めることはできずにいます。専門家によれば、ガン患者が増え続ける最大の理由は、人口の増加と高齢化だそうです。NZでは引き続きガンが最大の死因でもあり、全体の29%を占めています。
部位別のガン罹患率は以下の通り。
【男性】
1位:前立腺ガン(30%)
2位:大腸ガン
3位:皮膚ガン
【女性】
1位:乳ガン(28%)
2位:大腸ガン
3位:皮膚ガン
しかし、死亡率となると、男女とも1位が肺ガン(男性が20%、女性が18%)で、男性では直腸ガン、前立腺ガンがこれに続き、女性は乳ガン、直腸ガンとなります。
さらに気になる、年代別のガン罹患率をみてみましょう。
【25~44歳の男性】
罹患率の1位は皮膚ガンで、死亡率の1位は大腸ガン
【45~64歳の男性】
罹患率の1位は前立腺ガンで、死亡率の1位は肺ガン
【25~64歳の女性】
罹患率、死亡率ともに1位は乳ガンで、女性にとり乳ガンのリスクがいかに高く、長期にわたっているかがわかります。
ちなみに、日本での最新統計(国立がん研究センターによる2007年度版・対前年比)によると、罹患率はNZと違って4%増加しており、男女別の部位別罹患率もNZとは異なっています。
【男性】
1位:胃ガン
2位:大腸ガン
3位:肺ガン
4位:前立腺ガン
【女性】
1位:乳ガン
2位:大腸ガン
3位:胃ガン
4位:子宮ガン
NZで暮らす私たちは、どちらの統計に近いのでしょうか。食生活を考えると、NZの傾向が高まる可能性もありますが、どちらにしても女性の乳ガンの比率の高さは目を引きます。
国立がん研究センターの調査によれば、(1)禁煙(2)節酒(3)減塩(4)適度な運動(5)適切な体重維持という5つの良い生活習慣を毎日の生活に取り入れると、一つ取り入れるごとに、ガンの発症リスクが1割ずつ減少するという結果が出たそうです。ガン予防、まずはできることから始めてみませんか?
高橋靖宏【たかはし・やすひろ】
Financial Adviser (FSP68982)
アクセレレイト・コンサルティング社所属。海外進出企業の医療及びセキュリティ・リスク・マネジメントのスペシャリストとして、海外で長らくアシスタンス会社に勤務。NZで初の日本人公認ファイナンシャル・アドバイザーとして、生命保険、医療保険、損害保険など各種保険商品とキウイセーバーを日本語でご提供しています。
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