新学期が始まりました。新しい学校で新たなスタートを切ったお子さんや保護者の方も大勢いることでしょう。今日は保険の話から外れて、新学期の豆知識をお送りします。
 
【学校の寄付金への税還付】
　ご存知のようにNZの公立校には寄付金があります（ごく一部寄付金のない学校もあります）。「NZの教育は無料のはず」と、この寄付金は常に論議の的ですが、寄付金なしでは公立校の経営が成り立たないのも事実です。
 
　さて、公立校への寄付金は国からの税還付の対象です。還付率は33.3333%なので、寄付金の3分の1が戻ってくることになります。寄付金が300ドルなら100ドル、2人分なら200ドルが還付されるわけですから（きょうだい割引があればそれに応じて）、還付は必ず受けましょう。
 
　還付の申請方法は、学校から領収書を受け取り、以下のリンク先からIRD（税務署）の専用フォームをダウンロードして必要事項を記入し、領収書と一緒にIRDに送るだけです。公立の幼稚園への寄付金も同様です。
Tax credit claim form IR526
http://www.ird.govt.nz/forms-guides/title/forms-t/ir526-form-claim-rebate.html?id=homepage
 
【18歳からの学生手当て】
　NZでは国民もしくは2年以上滞在している永住権のある18歳以上の学生は、全日制の学校に通っていると国の学生手当て（Student Allowance）の対象になります。「学校に行っているだけで国からお金がもらえるなんて！」と、日本人には信じられないような話ですが、これがこの国の制度です。
 
　年齢で区切られるので、高校生でも大学生でも、対象となるコースの学生でも構いません。もらえるかどうか、またはいくらもらえるかは親の収入、本人の収入（アルバイトなど）や家族構成によって決まります。以下のリンク先に学生手当て計算機があるので、必要事項を記入して試算してみてください。
Student Allowance Rate Calculator
http://www.studylink.govt.nz/financing-study/student-allowance/student-allowance-rate-calculator.html
 
【18歳からのキウイセーバー】
　国民か永住権があれば任意の確定拠出型年金キウイセーバーに加入できます。ゼロ歳からでも加入できますが、年間最大521ドルまでの国の拠出額（Tax creditと呼ばれていますが納税しているかどうかは関係ありません）がもらえるのは18歳からです。
 
　「まだ学生で働いてもいないのに年金の積み立て？」
とピンと来ないかもしれませんが、週20ドル積み立てていくだけで、国から年間520ドルもらえるとしたら、預金金利に例えると50%です。銀行の金利とは比べものになりません。
 
　さらに魅力的なのは、加入後5年経っていれば、自宅用の最初の家を購入する際に、以下のような特典があります。（詳細は以下のリンク先参照）
・5000ドルの頭金手当ての支給
・加入者および雇用主の積立金と投資利益（金利等）を引き出せる
Buying your first home with KiwiSaver
http://www.hnzc.co.nz/rent-buy-or-own/buying-your-first-home-with-kiwisaver/buying-your-first-home-with-kiwisaver
 
　卒業していざフラッティングをするとなると、けっこう費用がかかります。「こんなに払うなら」と親に相談して頭金の一部を貸してもらい家を購入することができれば、それまでの積立金と加入後5年という条件が生きてくる可能性があります。
 
　NZでは18歳は大人の仲間入りです。毎週20ドルは大きいかもしれませんが、アルバイトがあれば払えない額ではないでしょう。年金というよりも、将来のマイホームのためにもキウイセーバーを始めてみませんか。