NZの医療保険はビザによって加入できる保険が決まります。大まかに言えば、無料の公共医療サービスの対象になるか、ならないかで分かれています。
キーウィ、永住者、通算2年以上のワークビザが出ている人(ビザさえ出ていればいいので、滞在が2年未満でもかまいません)は前者、それ以外の学生、ワーホリ、ビジター、ガーディアン、通算2年未満のワークビザの人は後者になります。つまり、ワークの人はビザの長さによって立場が分かれます。
ビザの期間が「通算2年」というのも注意が必要です。例えばワークビザで1年働き、しばらく間があいてから、別の職場で1年のワークビザを取って働いているとします。この場合、ビザが継続していないので「通算2年」にはなりません。
別のケースで、2年のワークビザが下りるはずだったのが、パスポートの有効期限が足らず、都合1年10ヶ月のビザが出たとします。これも「通算2年」にはならず、公共医療の対象になりません。
(この話は前に具体例をご紹介しているので、リンク先をご参考下さい)
第43回 2年未満のワークビザにご注意!
http://nzdaisuki.com/column_insurance/detail.php?issue=43
こうしたワークビザの期間が「通算2年未満」の人は、ワーホリ・ビジター・ガーディアンと同じ医療保険、海外旅行保険同様の保険になります。
この保険の特徴は免責と呼ばれる自己負担が1回75ドル(執筆現在)かかりますが、風邪で近所のGPに行っても、思わぬ大病をして日本から家族を呼び寄せる救援者保障が必要になっても、1つの病気につき75ドルの免責を払えば、保険の対象になります。
また携行品損害補償特約という、持ち物が盗難にあった場合の盗難補償も付けることができるので、知らない人たちとフラッティングをする場合には心強いことでしょう。
(この話も最近書いているので、ご興味があればリンク先をご覧下さい)
第169回 ワーホリ・ビジター・ガーディアンの医療保険-医療保険編
http://nzdaisuki.com/column_insurance/detail.php?issue=169
第170回 ワーホリ用医療保険のよくある質問-医療保険編
http://nzdaisuki.com/column_insurance/detail.php?issue=170
ただし、この保険は最長2年契約なので、何年も滞在する場合は満期の度に更新していく必要があります。その場合、前の保険契約中に発症した病気や症状は既往症(保険加入以前に発症していた疾病や症状、検査によって疑いを指摘されていたもの)という扱いになり、更新後以降は保険の対象にならないのでご注意下さい。
ワークビザの人から医療保険のご相談を受けたときに、私がまず最初に確認するのが、「通算のビザの期間」、そして「今後の予定」です。もしも「数年働いて日本に帰る」のであれば、ビジターの人と同じ保険にして満期の度に更進していき、携行品損害補償特約を付けておけば携行品の盗難もカバーされるので、手軽でお得ではないかと思います。
しかし、「永住狙い」という人であれば、通算2年以上の人には永住者と同じ医療保険をお勧めしています。これに該当する人は年齢が30代後半の場合が多く、この年齢になると20代には考えてもみなかった病気や症状が出てくることもあります。永住者用の保険は加入時に既往症がなければ、加入後に発症したものは保険の対象になるので、長い目で見ればこちらの方がお得で安心ということになるからです。
長くなりましたが、ワークビザの方のご参考になれば。
高橋靖宏【たかはし・やすひろ】
Financial Adviser (FSP68982)
アクセレレイト・コンサルティング社所属。海外進出企業の医療及びセキュリティ・リスク・マネジメントのスペシャリストとして、海外で長らくアシスタンス会社に勤務。NZで初の日本人公認ファイナンシャル・アドバイザーとして、生命保険、医療保険、損害保険など各種保険商品とキウイセーバーを日本語でご提供しています。
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