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第107回  NZの保険のよくある誤解-自動車保険編 

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102回の医療保険編に続いて、今回はNZの自動車保険でよくある誤解をお話します。
 
(医療保険の誤解についてはリンクをご参照下さい)
http://www.nzdaisuki.com/column_insurance/detail.php?issue=102
 
誤解その1:
「対人賠償責任保険に入りたいんですが。」
 
 日本ではハンドルを握るすべてのドライバーに義務付けられている保険ですが、NZにはそれに相当する保険がありません。
 
 なぜならこの国では交通事故に限らず、すべてのケガを政府機関のACCが保障するため、例え相手にケガを負わせても、負わせた人個人の賠償責任は基本的には問われません。ACCはケガを負った被害者、加害者双方の治療やリハビリ、休業手当など幅広く保障し、万が一お亡くなりになった場合は葬式代程度のお見舞金が出ます。ただし、ケガをした人が外国人でNZを離れたら、保障の限りではありません。
 
 なお、配達・配送、送迎など業務上で発生した交通事故には加害者に賠償責任が発生します。個人向け自動車保険では対人賠償責任をカバーしていませんが、ビジネス用の自動車保険は対人・対物賠償責任の両方をカバーします。業務で使用している個人所有のお車でも、業務中に発生した人身事故に対しては対人賠償責任を問われる可能性がありますからご注意下さい。
 
誤解その2:
「駐車場でちょっとした接触事故を起こしました。どちらも後方不注意だったはずなのに、相手の保険会社が修理代を全額補償するように要求してきました。話し合いで相手3、自分7とかにできませんか?」
 
  残念ながら、できません。NZの自動車保険の発想は「100%か0%か」しかありません。ドライバー同士が話し合う示談でもない限り、保険会社経由での事故処理は双方の保険会社が状況に照らして話し合い、どちらが支払うかを決定します。
 
 100%支払うと自分が一方的に加害者にされたようで納得できなかったり、翌年の保険料が心配になったりするかと思いますが、ここでの慣例なのでご理解ください。これは逆も真なりで、「自分も悪かったな」と内心思っていても相手の保険ですべて修理してもらえることもあるわけです。
 
誤解その3:
「自動車保険に入ろうとしたら免責が1000ドルだと言われました。こんなに高いって本当ですか?」
 
 お持ちの免許が国際免許ではありませんか?国際免許でも運転には差し支えありませんが、この国が発行した免許ではないので、保険上は若葉マークの初心者同様の扱いになります。そのため運転暦20年であっても通常の免責約300ドルに比べて非常に高い設定になっています。(実際の免責額は保険会社によります)
 
 NZでは昨年から日本の免許を日本大使館や領事館で英語に翻訳してもらった後、AAという黄色い看板のロードサービス機関に出向けば、実地試験なしで現地免許に書き換えられるようになりました。保険のためにも早々に免許書き換えをお勧めします。

 

高橋靖宏【たかはし・やすひろ】
Financial Adviser (FSP68982)

アクセレレイト・コンサルティング社所属。海外進出企業の医療及びセキュリティ・リスク・マネジメントのスペシャリストとして、海外で長らくアシスタンス会社に勤務。NZで初の日本人公認ファイナンシャル・アドバイザーとして、生命保険、医療保険、損害保険など各種保険商品とキウイセーバーを日本語でご提供しています。

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