ニュージーランドの留学や移住、起業、旅行、就職など総合情報サイト

第106回  保険屋のつぶやき 

『知ってよかった!“ニュージーランドの保険豆知識”』の記事一覧へ

今月に入ってからはセミナー続きでしたが、それも何とか一段落しました。連載100回目でも触れたのですが、今年12月から規制が強化され、生命保険の販売には「公認ファイナンシァル・アドバイザー」(Authorised Financial Adviser)であることが求められるようになる予定で、そのためにはNZQA(政府機関のNZ資格庁)の定める「レベル5」の資格が必要になります。(詳しくはリンクご参照)
 
第100回 連載100回を迎えて 
http://www.nzdaisuki.com/column_insurance/detail.php?issue=100
 
 私は昨年中に「レベル5」を取得したものの、この資格は1度取ってしまえばいいというものではなく、毎年しかるべきコースに行ってクレジットと呼ばれる単位のようなものを取得し続けないと維持できません。ですから業界経験の長い70代のアドバイザーたちも学生のようにコースに参加し、クレジットの取得に奮闘しています。
 
 それだけ保険業界を取り巻く状況が厳しくなり、消費者保護、リスク管理、コンプライアンスとさまざまな面で業務の向上が図られています。特に私の所属している保険会社はオーストラリア系なので、すでにNZより基準の厳しいオーストラリアの基準に合わせて事業を推進しています。その分、アドバイザーへのプレッシャーはきついですが、規制強化にはスムーズに対応していけると自負しています。
 
 ピンと来ないかもしれませんが、保険販売も金融アドバイスの一環として捉える傾向が強まっているため、「生命保険の保険金設定額がお客様の暮らしぶりとかけ離れていないか」などを判断するために、保険加入時にいろいろ質問することを保険会社が義務付けています。(保険金は少なすぎても多すぎてもいけないものです。これについては前にも取り上げたのでリンクをご参照)
 
第70回 生命保険-少なすぎるのも多すぎるのも考えもの 
http://www.nzdaisuki.com/column_insurance/detail.php?issue=70
 
 そのため保険加入時の質問の内容が細かく決まっていて、それをもとに顧客ファイルを作成していくので、妙に感じる質問をいろいろされるかもしれませんがご容赦ください。特に借金の額や所得額、持病の病歴など口にしたくないものもあるかもしれませんが、リスク判断の重要な決め手になるので、ぜひ正確にお伝えください。
 
 もちろん、知り得た個人情報は厳格に管理されています。私の所属先の場合、同じアドバイザー同士といえども、自分が担当していない顧客のファイルにアクセスすることはできません。ときどき私が扱っている保険会社のお客様からお問い合わせを受けるのですが、担当アドバイザー以外のアドバイザーは一切口出しができない決まりのため、「担当者にお問い合わせください」としかお答えしようがありません。これも2人のアドバイザーが別々のアドバイスをするといった混乱を避けるためのお客様本位の規制なので、ご理解ください。
 
 ただし、お客様の判断でアドバイザーを代えたいという場合はしかるべき手続きを経て、担当者を変えることができます。この業界は「顧客の売買」が珍しくないので、気が付いたら自分の担当者が代わっていたということもよくあります。全く知らない新しいアドバイザーに問い合わせるのは不安というのもよくわかります。この場合は保険会社か担当してほしいアドバイザーに相談してみて下さい。もちろん、どの保険会社もお客様第一なのでご希望に沿えると思います。

 

高橋靖宏【たかはし・やすひろ】
Financial Adviser (FSP68982)

アクセレレイト・コンサルティング社所属。海外進出企業の医療及びセキュリティ・リスク・マネジメントのスペシャリストとして、海外で長らくアシスタンス会社に勤務。NZで初の日本人公認ファイナンシャル・アドバイザーとして、生命保険、医療保険、損害保険など各種保険商品とキウイセーバーを日本語でご提供しています。

Accelerate Consulting
PO Box 87411, Meadowbank, Auckland 1742, New Zealand
Tel : 09 578 0792
Mobile : 021 968 968
E-mail : takahashi@accelerateme.co.nz
A disclosure statement is available on request and free of charge.