急激なNZドル安ですね。同時にすごい円高です。普段の生活では実感がなくても、いざ日本へ里帰りとなって出費をNZドルで計算したら、ギョッとする差ではありませんか。これを書いている時点でのNZ大好きさんの掲載レートは65.7円です。去年の7月頃は90円台だったことを考えると、1年ちょっとで95万円あると思っていたNZドルが65万円にしかならず、950万円なら650万円です。この差は大きいですね。
さて、保険屋の観点からみると、この円高NZドル安は日本の保険の見直しへのいい機会かと思います。営業中によく尋ねられるご質問に、「日本で入ってる保険、どうしたらいいでしょう?」というのがあります。お返事はご加入の目的、人生設計、資産形成などによって違ってくるので一つ返事はできませんが、気になっているのであればこの機会に見直すのは悪くないかと思います。
まず、一番気になるのは、為替による受け取り保険金への影響です。この件に関してはすでにお話しているので、詳しくは以下のリンクをご覧下さい。
http://www.nzdaisuki.com/column_insurance/detail.php?issue=22
ただ当時(2005年10月)は今とは逆のNZドル高円安局面だったので、具体例に現状を反映させてみます。
2000年に日本で3千万円の生命保険に加入:
為替レート ⇒ 1NZドル=43円
NZドル換算での推定死亡保険金 ⇒ 約70万ドル
(1)2005年に3千万円の保険金の受け取った場合:
為替レート ⇒ 1NZドル=80円
NZドル換算での死亡保険金 ⇒ 約38万ドル
(2)2008年10月に3千万円の保険金を受け取った場合:
為替レート ⇒ 1NZドル=65円
NZドル換算での死亡保険金 ⇒ 約46万ドル
「なんだ、2005年よりもNZドルでの受け取り金額が8万ドルも増えているから、これでいいじゃないか。」
と思う方も多いでしょう。NZドル安が2000年水準の40円台まで進めば、こちらでの受け取りはもっと大きくなります。しかし、忘れてはならないのが景気循環の中で逆のことも起きるということです。主軸通貨ではないNZドルの変動幅はこれからも大きいことが予想され、対円で半分になったり倍になったりを繰り返していくはずです。
その一方で被保険者がいつお亡くなりになり、残されたご家族がどの時点で保険金を受け取るかは誰にもわかりません。70万ドルにもなれば38万ドルにもなるのです。「残されたご家族を守る」という生命保険の目的から言えば、為替の問題は軽視できません。
そのため生命保険のご加入は、永住を決めている場合はNZで、いずれ帰国するか何かあった時には残されたご家族が帰国する予定で、すでに日本でご加入されている場合は、そのまま加入を継続されるのが為替リスクを軽減できる一番いい方法かと思います。
ただし、後者の場合でもこちらで住宅を取得している場合は、ローン残高や帰国時の支度金(住宅の売却費用など)を保険料が安く抑えられる掛け捨ての保険でカバーしておくことをお勧めします。次回は保険料の面からNZと日本の生命保険を比較します。
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高橋靖宏【たかはし・やすひろ】
Financial Adviser (FSP68982)
アクセレレイト・コンサルティング社所属。海外進出企業の医療及びセキュリティ・リスク・マネジメントのスペシャリストとして、海外で長らくアシスタンス会社に勤務。NZで初の日本人公認ファイナンシャル・アドバイザーとして、生命保険、医療保険、損害保険など各種保険商品とキウイセーバーを日本語でご提供しています。
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