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第28回  家財保険選びのコツ-家財保険編 

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前回に続いてNZ生活に欠かせない家財保険の話です。今回は選び方のコツをお話しましょう。家財保険とは盗難や火災などで失った大切な持ち物を補償するための保険です。火災の可能性は低いとしても、盗難は思ったより身近な問題です。キウイの間でこれだけ家財保険が普及していること自体、被害に遭うリスクを反映しているのでしょう。
 
 家財保険は保険会社によって、加入の仕方に大きな違いがある保険です。家財保険に限っては最初が面倒でも後で実を結ぶので、違いを簡単にご説明しておきましょう。
 
 例えば、補償金額3万ドルの家財保険に入ったとします(実際は数千ドルから入れますが)。A社とB社は補償金額を決めればすぐに加入できました。ところがC社からは3万ドルの内訳を求められ、どこの家にでもありそうな物が一覧になった長いリストに、所有しているものとそれを失った時に必要な補償金額(通常は同じものを買い換えた場合の代金)を記入するように言ってきました。
 
「テレビ1,200ドル、パソコン1,500ドル、デジタルカメラ1,000ドル、ゲーム機300ドル、腕時計1,500ドルと900ドル、有名ブランドのハンドバッグ○○ドル、結婚指輪○○ドル、ゴルフセット○○ドル、DVDプレーヤー○○ドル」などなど。
 
 保険をかけたいものを一つ一つ選び、金額まで記入していくとなると、けっこうな量になるものです。その後、運悪く泥棒に入られ、パソコン、デジカメ、高級な方の時計を盗まれたとしましょう。C社からは事前に定めておいた補償金額の合計である4,000ドル相当の新品が補償されます。(現金が支払われる場合は減価償却分が差引かれます)
 
 しかし、A社からは購入時のレシートが残っていたデジカメの1,000ドル分、他2点は1,400ドル相当の新品もしくは減価償却分差引後のさらに少ない現金が補償されただけでした。合わせてたったの2,400ドルです。B社に至っては盗難にあったものを所有していたことを証明できないと補償はないと言い出し、1,000ドル相当のデジカメが補償されただけでした。この差はなんでしょう?
 
 A社やB社の場合、加入時に保険対象品を特定していないため、家の中にあるすべてのものを合わせて3万ドルと査定しています。そのため盗まれる可能性が低いカーテン、おもちゃ、ソファー、テレビ台なども保険対象になってしまい、本当に保険をかけたい大切な物の一点あたりの補償額が低くなります。B社は所有していたことの証明(レシートやクレジットカードでの購入記録)の提出まで求めています。
 
 この場合、補償額も保険会社が定めたものに準拠するため、「パソコン800ドル、時計600ドル」となっていれば、ほとんどの場合でその金額相当の新品(もしくはさらに少ない現金)が補償されるだけです。盗まれた時計が高級な方でも普段使いの安い方でも補償はまず同じでしょう。いずれも同じものを買い換えるにはかなりの自腹を覚悟しなければなりません。
 
 このように保険対象品申告は手間がかかるものの、いざ失った時には心強いものです。苦あれば楽ありですね。
 

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高橋靖宏【たかはし・やすひろ】
Financial Adviser (FSP68982)

アクセレレイト・コンサルティング社所属。海外進出企業の医療及びセキュリティ・リスク・マネジメントのスペシャリストとして、海外で長らくアシスタンス会社に勤務。NZで初の日本人公認ファイナンシャル・アドバイザーとして、生命保険、医療保険、損害保険など各種保険商品とキウイセーバーを日本語でご提供しています。

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