前回からの続きです。特定疾病保険と収入保障保険は病気で倒れ、しばらく働けなくなってしまった時の収入を保障する保険です。不幸にもお亡くなりになってしまった場合には生命保険金がおりますが、幸い一命を取り留められた場合には、生命保険をあてにすることができません。しかし、これらの保険があれば、まとまった保険金か、月収のように安定した給付金の支払いを受けることができるのです。
 
　まず、特定疾病保険ですが、これはがん、心筋梗塞、脳卒中の三大疾病になってしまった時、事前に定めておいた保険金がまとめて支払われる保険です。保険金は生命保険同様、非課税扱いなのが大きなメリットです。わずかな追加保険料で三大疾病のみならず、それ以外の特定の病気までカバーすることもできます。
 
　保険金の使いみちは、失われた収入の補填、住宅ローン、お子様の教育費、治療費、リハビリのための自宅改装費支払いなど、ご自由です。自営業で病による休業がお仕事や収入に大きく影響する方、住宅ローンなどの返済が気になる方には特にお勧めです。
 
　もう一つの所得補償保険は、病気やケガで働けなくなった時の収入を保障する保険です。目安としては、月々数十ドルの保険料で、万が一の場合に収入の75％に相当する給付金を毎月受け取ることができます。特定疾病保険同様、給付金額を事前に定めておくこともできます。給付期間は数年から永住者の方なら65歳の年金受給資格が生じるまで選択できます。
 
　いずれの保険も、ご本人やご家族が闘病や看病にまい進すべき時に、「生活費は？」「治療費は？」「住宅ローンは？」となる不安を軽減もしくは解消するためのもので、公私ともに “守るべきもの”が一段と重くなる働き盛りにこそご紹介したい保険です。
 
　こうした保険と生命保険をセットにして、保険料を抑えることもできます。「日本で入っている生命保険をなんとかしたい」という方にも、より効果的な保険加入を見直すきっかけになるかもしれません。限りある保険料を生命保険に集中させる代わりに、命に別状がなかった時でも保障を受けられるよう分散することは、大切な暮らしをより現実的にサポートすることになるでしょう。
 
■お知らせ■
このコラムでは、みなさまからの保険に関するご質問を受け付けております。感心の高い内容に随時お答えしていきますので、お気軽にこちら⇒hoken@xtra.co.nzまでご質問をお送りください。（お送りいただく場合は、タイトルを「ＮＺ大好き：質問コーナー」として下さい）
 
次回は自動車保険を安く上げるための小技をお届けしますので、お楽しみに。