ニュージーランドは医療費の無料化に力を入れている分、対象外となる外国人に対して、各人で保険に入り医療費をカバーするよう強く勧めています。その一例が留学生で、留学生ビザの取得には医療保険の加入が義務付けられています。
ここで、「あれ?留学生だけど、入ってきたのは確か留学生保険のはず」という方がいらっしゃることでしょう。日本で加入する留学生保険、海外旅行保険、永住者でない方がニュージーランドで加入する医療保険は名前こそ違いますが、どれも医者にかかった時の費用や携行品などの盗難をカバーする保険で、基本的には同じものです。
なぜ名前が違うかというと、滞在目的に合わせて多少内容を変えているからです。保険会社によって設定が異なるので一般的なことしか言えませんが、海外旅行保険はあくまでも旅行者を対象にしているため数年単位では加入できず、ステイ先で大家さんの物を壊してしまった場合の損害賠償も含まれません。
そのため留学生保険、駐在員保険、ワーホリ保険、海外旅行保険など渡航目的に合った保険を選べば、きめ細かな内容と現地での日本語サービス、医療機関によってはキャッシュレス・サービスなどが期待できます。しかし、気になるのは保険料です。
日本で加入する保険は内容が細かく、サービスが手厚い分、値段は高くなります。保険料が渡航先の国ごとではなく世界を地域に分けて設定されているため、ニュージーランドのような比較的安全で医療の発達した国に来る場合は、割高感も出てきます。
一方、ニュージーランドで加入できる同様の医療保険は、かなり割安です。期間1年で比べてみると、保険にもよりますが、半額から3分の1で加入できます。安さの理由は、
1.滞在先をニュージーランドや旅行先の近隣諸国に限定している
2.キャッシュレスがない
3.日本語サービスがない
といった点です。日本からの保険でも、すべての医療機関でキャッシュレスが受けられるわけではありません。
もちろん、「いざという時に日本語のサービスがないのは不安」という方もいらっしゃるでしょうから、ここからはご加入者次第でしょう。金額と内容をよく比較され、ご自身に合った保険をお選びください。永住者向けの医療保険はまた別の機会に。
高橋靖宏【たかはし・やすひろ】
Financial Adviser (FSP68982)
アクセレレイト・コンサルティング社所属。海外進出企業の医療及びセキュリティ・リスク・マネジメントのスペシャリストとして、海外で長らくアシスタンス会社に勤務。NZで初の日本人公認ファイナンシャル・アドバイザーとして、生命保険、医療保険、損害保険など各種保険商品とキウイセーバーを日本語でご提供しています。
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