ワンガレイ南のラングスビーチで、カモメを追いかけていた犬のラロは、6メートルの高さの崖から波間に落ちてしまった。
ラロが落ちた場所は岩と岩の間の小さな砂場で、波が押し寄せる度に岩に向かって流されるが、波が引くと現れる砂場に立つことができた。
ラロを散歩させていたドッグ・シッターのシーン・トンプソンさんは、崖下のラロを見つけたが、岩場は急で高く、仮に降りることができても、ラロを連れてよじ登るのは不可能に思えた。
トンプソンさんは、マンガワイ・サーフ・クラブを介してコーストガード、ワイプ・コーブ・サーフライフセイビング・クラブに連絡した。
連絡を受けて駆け付けたのは、ワイプ・サーフライフセイバーで、ノースランドのカウンセラーでもあるリック・ストールレック氏。
「まず誰か来て状況を確認して、救助方法を考えるんだろう」と予想していたトンプソンさんを裏切り、ストールレック氏はウェットスーツに身を固め、浮き輪と子供用のライフジャケットを手に現れると、波の高さを確認し、海に飛び込みラロのところまで泳ぎ始めた。
「リックはラロが波に流され泳いでいるところを、首輪をつかんで捕まえ、浮き輪に結び付けました。ラロはこの時点で、彼が自分を助けに来たことを理解したようで、素直にライフジャケットに前足を通していました」とトンプソンさん。
助けられて喜ぶラロは、ライフジャケットに助けられ、そしてストールレック氏の腕に抱えられながら、一緒に犬かきで岸まで泳ぎ着いた。
「すごくカッコよかった。まるでオロオロする哀れなラロをさっそうと救助する海軍特殊部隊みたいでした」とトンプソンさん。