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第306回 オークランドの侵入窃盗は94%が未解決

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オークランドの侵入窃盗は94%が未解決

【2014年は犯罪が減少】
 先週、ヘラルドの記事にもなったのでご覧になった方もいらっしゃると思いますが、2014年の犯罪統計が発表されました。昨年通報された犯罪は35万件で、2013年に比べると2.8%減、その間の人口の増加を考慮すると4.2%減という結果が出ました。犯罪の減少は喜ばしいことですが、問題もあります。

【検挙率も低下して41.5%に】
喜んでばかりもいられないのが、検挙率の低下です。昨年の犯罪35万件のうち解決をみたのが14万5,000件で、検挙率は41.5%でした。2013年の検挙率が43.9%だったので、せっかく犯罪が減っても未解決は増えたことになります。いずれにしてもNZの犯罪の2件に1件以上は未解決ということです。

【特に検挙率が低い侵入窃盗】
 特に検挙率が低いのが侵入窃盗(burglary)です。侵入窃盗とは単純に言えば、住宅など建物に不法に侵入して物を盗むこと、「泥棒に入られる」ことです。①住人の不在を狙う「空き巣」、②住人が就寝したのを見計らって侵入する「忍込み」、③住人が起きている間に誰もいない部屋を狙う「居空き」の3つの手口があります。
住人が帰宅したり、泥棒と鉢合わせしてしまうと、泥棒が暴力を振るったり、凶器で脅したりして強盗(Robbery)に変わってしまうこともあり大変危険です。

【極端に低いオークランドの侵入窃盗検挙率】
 侵入窃盗の2014年の発生件数は5万3,000件で、通報された犯罪の7件に1件の割合でした。2013年からは2%増えました。普段の生活をみても、警察を呼ぶような事態となったら、交通事故か泥棒でしょう。
泥棒は最も身近な犯罪でありながら、2014年の検挙率は全国平均で12%、オークランドでは6%と極端に低くなっています。2013年は全国平均14%、オークランド8%だったので、いずれも悪化しています。オークランドの侵入窃盗は94%が未解決、50件の泥棒があったら3件しか解決しないということです。

【一番多い犯罪は窃盗】
 犯罪の中で一番多いのが窃盗(Theft)で、2014年は12万件、全犯罪の約3件に1件が窃盗でした。これは侵入窃盗と違い、開いていた車の窓から物を盗んだり、レストランで食事中の客が椅子に掛けていたハンドバッグを盗んだりというのが典型で、被害者のすきをついて、侵入しないまま泥棒行為を働くことです。簡単に言えば「盗難にあう」ことで、車の盗難もこれに入ります。
 この2014年の検挙率は全国平均で22%、オークランドは13%でした。侵入窃盗の検挙率よりはましですが、オークランドの場合、8件に7件は未解決でした。

【保険で自衛を】
 この数字を見てどう思われますか。私が受ける保険クレームでも交通事故に次いで多いのが泥棒で、窃盗、侵入窃盗の両方があります。侵入窃盗も、「旅行から帰ったら家が泥棒に入られていた」というのから、「子供を学校に迎えにいっている間に」「寝ている間に」「2階にいたら1階とガレージがやられた」など、日本人家庭でも「空き巣」「忍込み」「居空き」の全てが起きています。
低い検挙率からみて、NZ暮らしでは「保険で自衛するしかない」というのがおわかりいただけることでしょう。犯人が捕まっても、盗まれたものが戻る保証はありません。

【居住者なら家財保険、滞在者なら携行品の盗難特約】
 永住者やワークビザを持っている居住者の場合は、家財保険に加入すれば泥棒や盗難にあった場合、家から盗まれたものが保険で補償されます。この保険には外出先での盗難も補償するものとしないものがあり、保険料が異なりますのでご注意ください。
学生やワーキングホリデーメーカーなど滞在者であれば、海外旅行保険に相当する保険に携行品の盗難特約をつければ、普段から持ち歩いている携帯電話、ノートパソコンなどの携行品がカバーされます。

高橋靖宏【たかはし・やすひろ】
Financial Adviser (FSP68982)

アクセレレイト・コンサルティング社所属。海外進出企業の医療及びセキュリティ・リスク・マネジメントのスペシャリストとして、海外で長らくアシスタンス会社に勤務。NZで初の日本人公認ファイナンシャル・アドバイザーとして、生命保険、医療保険、損害保険など各種保険商品とキウイセーバーを日本語でご提供しています。

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