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第239回  事故・当て逃げなど自動車保険のよくある質問 

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わかっているつもりでも、いざ交通事故の当事者になると動転したり、「あれ?もしかして??」と、混乱してしまうことはあるものです。これから何回かに分けて、自動車保険に関するよくある質問をご紹介しますのでご参考ください。
 
【質問】:ガレージから車を出すときにもう1台の自家用車にぶつけてしまい、2台とも修理が必要になりました。これって保険の対象ですか?
 
【回答】:加入している保険によります。もしも保険がサードパーティー保険であれば、対象になりません。「サードパーティー」(他人)という保険の名前が示すように、自分の所有物(もしくは自分の管理下にある物、例えば借家など)以外を補償するための保険なので、2台とも対象になりません。
 
 加入している保険がフルカバー保険であれば、運転していた車の修理は保険の対象になりますが、ぶつけられた車がサードパーティー保険であれば2台目は修理の対象にならず、フルカバー保険であれば対象になります。ややこしいですが、ぶつけてしまったものが何でも、「自分の物」か「他人の物」で大別されます。以下の例もご参考ください。
 
《隣の家との境の塀に車をぶつけてしまった場合の保険での修理対象》
塀の所有者が「自分」の場合
サードパーティー保険:自分の車も塀も対象外
フルカバー保険:自分の車は対象、塀は対象外(自分が所有する家で住宅保険に入っていれば住宅保険でカバー、借家の場合は家主の住宅保険でカバー)
(塀以外でも、ぶつけたものが自分のガレージの壁やドア、ガレージ内や敷地内にあった「自分の物」でも同様です)
 
塀の所有者が「他人」の場合
サードパーティー保険:自分の車は対象外、塀は対象
フルカバー保険:自分の車も塀も対象
(塀以外でも、ぶつけた物が遊びに来ていた友達の車など「他人の物」であれば同様)
 
 これだけ読んでいると、「どうせぶつけるなら他人の物のほうがいいなあ」と、内心思ってしまうかもしれませんね(笑)。でも事故は起きないに越したことはありません。お互い運転にはくれぐれ注意しましょう。
 
【質問】:駐車場でバックで出てきた車に当てられました。ドライバーと話し、電話番号をもらって車のナンバーも控えて保険会社に知らせて保険をクレームしました。ところが、電話番号がデタラメで、ナンバーも盗難届けがでているものだったということで、免責の支払いを請求されてしまいました。自分が被害者なのに納得できません。保険はフルカバーです。
 
【回答】:このケースの場合、加害者を特定できないので保険会社の処理としては「当て逃げ」と同じになります。フルカバー保険に加入していれば修理は保険でできますが、免責は加害者に請求できないため自己負担になります。
 
 保険会社は警察ではないので犯人探しはできませんが、いつかの段階で加害者が特定でき、損害額を請求できれば、加入者が支払った免責は返金されます。実際にお客様でも事故からしばらくして免責が返金されたことがあります。ドライバーの本人確認はその場で免許証を見せてもらう、もらった番号に電話をかけて確認する、などできるだけ確実に。

 

高橋靖宏【たかはし・やすひろ】
Financial Adviser (FSP68982)

アクセレレイト・コンサルティング社所属。海外進出企業の医療及びセキュリティ・リスク・マネジメントのスペシャリストとして、海外で長らくアシスタンス会社に勤務。NZで初の日本人公認ファイナンシャル・アドバイザーとして、生命保険、医療保険、損害保険など各種保険商品とキウイセーバーを日本語でご提供しています。

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