まず始めに、ウェリントンや南島北端での地震の発生で、お住まいの方やビジネスをされている方々にお見舞い申し上げます。まだ余震が続くかもしれず、くれぐれもご注意ください。お子さんがいるご家庭は冬休み中だったのが不幸中の幸いですね。これ以上被害が拡大しないように祈るばかりです。
(予定していた生命保険の話は後日改めて継続します)
19日(金)から始まった北島と南島の間のクック海峡を震源とする数々の地震の規模はM6.5にまで拡大しています。震源地が海底の場合は津波も懸念されます。報道で繰り返されている注意点を記しておきます。
・道路や建物の構造の検査が続いている間は、不要不急以外の外出を控える
・ウェリントンのCBDは通りによっては警察がすでに閉鎖している
・停電や水道管の破裂、ホテルやビルなど建物の安全性の確認に時間がかかることから、ウェリントンCBDへの訪問を控える
個人的な見解ですが、この地震の状況によっては今回被害が出ているウェリントンや南島セドン周辺で新規の住宅保険の引き受けが最悪停止する可能性も考えられるため、こうしたエリアで加入を検討している場合は早めに加入されるようお勧めします。住宅保険に加入していないと、地震で被害が出てもEQCによる国の救済の対象になりません。
すでに保険会社はホークスベイからクライストチャーチに至る東側の広範なエリアで、商業不動産に対する保険の引き受けを停止もしくは制限しています(耐震建築になっているかなどの条件次第)。これが今回の地震の被害次第では個人の住宅にまで及ぶおそれも考えられます。
住宅保険に加入している方は保険料が多少値上がりしても、加入を継続するようお勧めします。値上がりはリスクの反映でもあり、値上げ幅が大きければ大きいほど、リスクの高いエリアにお住まいであることを代弁しています。リスクの度合いが極端に高くなれば、クライストチャーチのように保険会社が新規の保険の引き受けそのものを停止してしまいます。
あまり知られていませんが、引き受けが停止されているのは住宅保険だけではなく、家財保険、フルカバーの自動車保険も対象です。ビジネス保険も地震被害は保険の対象から外されています。引き受け停止エリアもクライストチャーチだけでなく、カンタベリー地方の広い部分に及んでいます。
保険料が値上がりしたからと保険を解約してしまい、解約後に保険会社が新規の保険の引き受けを停止した場合、再び加入することはできなくなります。地震の問題に関しては、損害保険業界は一枚板です。「A社がダメなら他社で入ればいい」という訳にはいかなくなっているので、この点もご注意ください。
地震と損害保険に関してはちょうど1年前にもコラムにしているので、そちらもご参考ください。
第195回 保険に入れなくなるリスク
http://www.nzdaisuki.com/column_insurance/detail.php?issue=195
カンタベリー地方で保険に入りたくても入れない個人や企業のご苦労をよく知る立場として、「保険に入れなくなるリスク」があることをぜひご理解いただきたいと思います。
高橋靖宏【たかはし・やすひろ】
Financial Adviser (FSP68982)
アクセレレイト・コンサルティング社所属。海外進出企業の医療及びセキュリティ・リスク・マネジメントのスペシャリストとして、海外で長らくアシスタンス会社に勤務。NZで初の日本人公認ファイナンシャル・アドバイザーとして、生命保険、医療保険、損害保険など各種保険商品とキウイセーバーを日本語でご提供しています。
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