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経済学者「地方税(レート)を上限にするなら、なぜ税金にも上限を設けないのか?」

政府は地方自治体が住民税(rates)を引き上げられる割合に上限を設ける方針を示しており、2027年から年率 2〜4%の範囲 を目標とする案が出ています。

しかし、経済研究機関 Infometrics のチーフエコノミスト、ブラッド・オルセン氏は、これに対して 「中央政府自身は税金に対して何の上限も設けないのは皮肉だ」 と批判しています。政府は今後5年程度にわたって支出が税収を上回る見込みが続き、財政赤字が続く可能性があるにもかかわらず、税負担の上限設定について議論がほとんどないと指摘しています。

Infometrics の試算では、平均的な世帯(共働き、中央値所得)の年間税負担は約 39,080NZドル にのぼり、その内訳は所得税約 13,750NZドル×2人分+消費税(GST)約 11,600NZドルなど。一方で地方自治体への年レート(rates)は約 3,800NZドル程度に留まるという平均値が出ています。

オルセン氏は、「もしレート上限の目的が支出の抑制であるなら、政府自身の税金の取り方にも同じような制限を設けるべきだ」と述べています。さらに、地方自治体は中央政府が義務付ける作業や規制のコストを負担させられるケースが増えているにもかかわらず、その分の財政支援がほとんどないことにも不満を示しました。

Local Government NZ(地方自治体の代表団体)は、レート上限制度が導入されれば、主要な道路や橋、公共交通などの重要なサービスへの投資が制限される可能性があると懸念しています。